「朝からお酒を飲んでいて、一日中家にいる」
「給料を全部競馬で使ってしまった」
「娘の部屋に市販薬の空き箱がいっぱいあるけど、大丈夫?」
みなさんは、家族の誰かのことでこのような思いを抱いたことはありませんか?
依存症には、アルコールやギャンブルなど様々な種類がありますが、多くの人に共通することは、最初に家族が本人の異変に気付き、困ることから始まるでしょう。
どの依存症も家族からすると、本人が好んでやっているように見え、自分勝手に思えたり、わざと家族を振り回したりしているように感じることも多いかもしれません。そこで家族は、何とか良くなってもらおうと本人に説得を試みたり、なだめたりとあらゆる手段を講じます。しかし、事態はなかなか改善しません。そればかりか、家族が疲れ果て、楽しかったことが楽しめなくなる、自分のために使う時間が少なくなる、といった状況に陥ります。家族の時間や人生もとても大切なものです。心配はありつつも、ある程度のことは本人に任せ、自分自身のことに時間を使うようにしてみてください。たったそれだけのことで、治療につながるチャンスが訪れやすくなります。
当院には、大変な思いをされて相談に来る家族が多いです。まずは、その思いを吐き出してみませんか。
(公認心理師)